ヒトの活動は「関節」の動きよって成り立っています。
しかし、本ブログでなんどもお伝えしていますが、ヒトの関節は不完全な構造をしています。
このため関節には運動や加齢によって知らず知らずのうちにストレスに晒されています。
この事実を踏まえた上で人生の晩年までできるだけ痛みなく活動できるように
関節を守る
ことを意識してコンディショニングをしていきましょう。
本日から2回に分けて関節の基本的な構造と関節を守るための知識やエクササイズを共有します。
関節の構造
骨格を形成する骨の一つ一つ形は様々ですが、骨と骨をつなぐ関節の作りは上記の図のようになっています。
ここでは関節包について深堀していきます。
関節包は関節を包み関節面や関節の動きを滑らかにする水(滑液)を内包しています。
関節包の内面は滑膜という組織で裏打ちされており、滑膜は滑液の分泌を行っています。
この滑膜を自身の免疫反応で攻撃してしまうのが関節リウマチです。
関節包の外面は線維膜でコーティングされています。
繊維膜が特定の運動方向を制限するために厚くなった部分を靭帯といいます。
関節を守る関節包
関節包が適切に緊張を保つことで関節の面と面が圧着(陰圧)し安定性が向上します。
このことは関節の軸の形成にも関与し大きな可動域なスムースな動きにもつながっていきます。
関節包にゆるみが生じたり、過度に硬くなってしまうと関節にブレ(剪断力)が生じ、関節を構成する組織へのダメージや運動パフォーマンスの低下を招きます。
関節を守る筋肉
関節を守る上で重要となるのが深層筋の働きです。
深層筋はからだの深層かつ関節の近くを短く走行し、一部関節包に付着を持ちます。
筋肉は形や機能によって様々な種類分けがされていますが、深層筋は短関節筋や巷でいうインナーマッスルとほぼ同じと考えても良いかと思います。
深層筋が収縮することによって関節包が緊張し上記の関節の圧着を強めることができます。
この深層筋のコンディショニングと機能向上こそが「関節を守る」ために非常に重要になります。
関節を壊す筋肉
深層筋と対となるのが浅層筋です。
浅層筋はからだの浅層かつ関節との距離が遠く複数の関節をまたいで長く走行します。
こういった特徴から大きなパワーを発揮できる反面、図のように関節に剪断力を生じさせてしまいます。
ドア構造でイメージ!
深層筋と浅層筋の関係をドアに例えて考えてみます。
深層筋は蝶番の力を担い、浅層筋はドアノブを引く(押す)力のイメージです。
蝶番がないとドアの開け閉めは安定しないことは容易に想像できるかと思います。
おわりに
「関節を守る」ために関節包の機能と深層筋の収縮が重要であることがイメージできたかと思います。
しかし、深層筋をコンディショニングをすることは難しいです。
次回は深層筋を上手く使うための工夫とコツを共有します。
本日も最後までご覧いただきありがとうございました。
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