前回から「からだコーディネーション」についての内容となっています。
コーディネーションとは「運動(生活)をするために必要な様々な機構を調整する能力」のことを言います。
私の解釈を加えて言い変えると「自分の状態の変化に気づける能力、自分のからだを思うままに動かせる能力」です。
自身のからだをコンディショニングする上でコーディネーション能力は非常に重要です。
コーディネーションには3つの過程がありますが、本日は「知覚」について深堀りしていきます。
3つ過程を分かりやすく会社運営に例えると、「知覚」はお客さんの意見を把握したり要望を聞く営業・現場スタッフです。
知覚とは すべの運動のはじまり
専門書では知覚こそが活動の本質であると表現されています。
自分がどのような状況にあるかが分かっていないとスムースな運動は行えません。
知覚は自分の状況を教えてくれるもので、からだの様々な感覚器官からの情報を脳が処理・認知しています(認知過程は次回説明)。
以下にからだのコーディネーションに重要な感覚器官を紹介します。
皮膚・筋(筋膜)・関節(靭帯)
これらの感覚は組織の緊張・伸長の程度を感知し関節がどの方向にどの程度曲がっているかを認知するための情報となります。
また、ヒトの反射のスイッチを入れる役割があります。
「アチッ」と手を引っ込める反射やウォーキングで足を交互にリズム良く出す運動は脳を介さずに筋肉や関節からの情報もとに行われています。
視覚
視覚情報は体幹と足、床とからだなど身体各部と空間の位置関係を知る手がかりとなります。
ヒトは視覚からの情報に頼ることが多く、加齢によって視力が落ちた高齢者は転倒に注意が必要です。
前庭覚(耳)
前庭覚は空間における頭と眼を水平に保つ活動の手がかりとなります。
耳の中にある器官がからだの傾きや眼の揺れ情報をキャッチし脳に情報を送ります。
ウォーキングをしていると実際はかなりからだが揺れますが、揺れとして感じないのは前庭器官が活動してくれているからです。
おわりに
知覚はすべての運動の基盤になります。
また、筋肉の張り感や動きの不調などからだ些細な変化を知覚することで重篤な症状の予防にもつながります。
同じ運動でも目を閉じて行ってみたりすると違った知覚を感じることができるかもしれません。
次回はからだのコーディネーションの3つの過程の中の2つ目「認知」についてです。
本日も最後までご覧いただきありがとうございました。
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